油をしみ込ませた紙に関する考察
たとえば、天ぷらの紙。天ぷらの油がしみ込んだ部分は、
ちょっと透明っぽくなっている。
また、女性は油とり紙などを思い出してほしい。
つかったあとはちょっと向こうが透けていない?
紙は、白いもの。もしくは色がついているけど、向こうはすかせないもの。
そんなイメージがありますよね。
でも、油がしみこむと透明になるんです。
まず、紙は繊維でできているというのは、よく知られていると思います。
顕微鏡で紙を拡大してみると、
繊維が絡み合っています。
繊維が絡み合ってできた隙間には、空気があります。
紙の繊維のなかに、空気のつぶつぶがあると考えてもいいでしょう。
紙と、空気は光を反射する度合いが違うので、
光の反射の度合い(屈折率)が異なる物質がつぶつぶとしてあると、
それは白っぽく見えます。
例えば湯気(水のつぶつぶが空気中にある)もそう。
元々のものには色はついていないけど、
ものすごく小さなつぶつぶになると、そのつぶつぶが光を散乱して、
白っぽく見えるのです。
(これを、ミー散乱といいます。)
この紙に、油をしみこませると、
紙にあった空気の隙間に油がしみ込む。
そうすると、空気のつぶつぶのかわりに油のつぶつぶになります。
しかし、紙の繊維と、油は光の反射の度合いが同じくらいなのです。
このとき、つぶつぶはみえなくなってしまいます。
(油の中に、ガラスのつぶつぶをいれたときも、同じように見えなくなります)
白く見せる空気のつぶつぶがなくなったので、
紙は透明っぽくみえるのですね。
また、水とちがって油は蒸発しにくいので、
ずっと透き通った状態を保てます。
これをなにかにつかえるといいですけど、、べたべたしますね。