科学記事4 - 柔よく剛を制す
<一行まとめ> やわらかいピストンは従来のものより大きな力がだせることがわかった。
油圧、水圧などの液体を使ったピストン型の動力装置は、
1700年代に圧力鍋の発明をしたフランス生まれの英国人物理学者デニス・パピンが
原理を開発したらしい。
この動力装置は現在では様々な機械に用いられている。
しかし、従来型のこのピストン装置は、
変形しない円筒形の容器とピストンが用いられている。
この容器とピストンの摩擦は、
液漏れがおこるなど、性能の低下の原因になる。
また圧力の下限には限界があり、速度や動力に制限がある。
これを解消するため、ハーバード大学ワイス研究所とMITは、
装置中の圧縮される部分をやわらかい素材で置き換えたものを開発した。
このピストン装置の名前は
'fluid-driven origami-inspired artificial muscles' (FOAMs)
である。
新しいこのやわらかいピストンは、従来のものの3倍の力を出せることがわかった。
摩擦もかなり少なくなり、エネルギー効率も40%上がった。
この結果はAdvanced Functional Materials誌に掲載された。
<コメント>
堅いものより柔らかいもののほうが、柔軟性があるというのは、
意外性もあるが、よく聞く話でもある。
ピストンはいろんなところに使われているので、
今後のものづくりにどう影響するのかを見ていきたい。
参考文献
Pistons are muscling up | EurekAlert! Science News
原著論文
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/adfm.201901419
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