どーなつの連続性定理

1つ1つは発散しても最終的に収束したい/アメリカのどーなつもふわふわしている

人生の罰ゲームと呼ばれる博士課程から抜け出すためには

考えてみた。

めちゃめちゃ話題になってるやつです。

wofwof.blog60.fc2.com

これは、現在博士課程にいる自分にとって、

すごく同意できるものでした。

 

しかし、最近同じような立場の人と話していて、

「研究者は芸術家みたいなものだと思うしかない」

という結論に至りました。

では、なぜこれが腑に落ちない感じになるのでしょうか。

 

入り口が違う

それは、入り口が違うからではないでしょうか。

芸術家なら、基本的に芸大にいくのではないでしょうか。

(例外の人も多数いらっしゃるとは思いますが)

でも、研究者は大多数の社会人と同じ、大学、大学院を出ています。

これらが「研究者養成学校」という名前だったら、

納得いくのかもしれません。(昔はそうだったはずでしょう。)

でも、ほとんど誰でもいくような「大学」に入ったのです。

 

世間の人たちは、今日のホッテントリをみてもわかるように、

痛いニュース(ノ∀`) : 息子3人を東大に入れた母親 「受験に恋愛は無駄、若い女が息子を狂わす」 - ライブドアブログ

「いい大学に行く」ことを人生の一つの基準にしているように思えます。

すべての人がそうじゃないことはわかっていますが、

いい大学にいって、いい企業にはいって、

稼ぐ、的なコースを思い描いているはずです。

がんばって、がんばって、遊ぶ時間も削って、

いい大学に入ったのに、全然稼げないよ!

ってなったら、人生の罰ゲームかな、という気にもなるでしょう。

*1

(特に、博士課程だと同年代の人は働いて3~5年目とかになっているので、

比較するとつらい)

 

芸術家の場合は、稼げるのは氷山の一角、というイメージが

もともとあるからそうなってもショックは小さいのではないかと察します。

 

大丈夫な博士学生もいる(少ないけど)

ではどうすればいいかですよね。

博士課程にあがるぞーという場合は、

修士2年のときに、日本学術振興会に「学振特別研究員(以下学振)」

になるための申請書を書きます。(これも結構大変なのですが)

このうち上位約2割が博士3年間、月20万の研究奨励金(所得税は引かれる)と、

1年100万円程度(人や研究内容によってバラツキはあるが)の研究費が与えられます。

これに通らなかった残り8割の人は、

大学からお金をもらうプログラムがあるひと、

奨学金という名の教育ローン、企業の給付奨学金

親からの仕送り、バイトなどで暮らします。

 

次の年にも出せますが、まあ通って2割です。

すっごく優秀な人はここで通るので困りません。

あと、学振に通るためには申請書がよくかけていて、

業績があることが大事なので、

研究者になるぞって考えてる人は、修士で入る研究室も選んだ方がいいです。

(ささっと論文書かせてくれるところとか…)

この辺もまあいってしまえば実力のうちなのでしょう。

噂によるとボスが書いたりするところもあるらしいです。。

 

とにかくこの学振に通らないと精神的にもきつく、

罰ゲーム感がすごいですが、自分の実力不足、リサーチ不足を嘆くしかないです。

 

残りの人はどうするか

そうはいっても、研究室にめぐまれなかったり、

大器晩成型の人だっていると思います。

そういう人がどう生き残るかですよね。

 

あと、博士課程を出ても、大量に博士がいるので、職にあぶれかねません。

だいたい、10年くらい任期付の職を点々として、

どっかのパーマネント職をみつけて落ち着くのが最近の研究者標準な気がします。

まあD1から学振もらってるひとは優秀な人がほとんどなので、

職には困らないと思いますが…

 

その転々とする感じが嫌な人は、企業に就職したりします。

工学部だと、企業にいく博士号持ちも多いと聞きます。

 

芸術家に学ぶ

では、研究者が芸術家のようなら、芸術家はどうやって稼ぐのだろう??

安直に、「芸術家 稼ぐ」でぐぐってみました。

 

お金と芸術家①~村上隆|☆Dancing the Dream ☆

この記事では、村上隆氏が、芸術家も普通の企業のように、

市場をリサーチして、稼いでいくべき、というようなことを本にかいているのを

とりあげていました。(あとで読んでみよう)

研究者自身も、自分をアピールする術を身につけていくべきなのでしょうね。

最近はクラウドファインディングで研究費をあつめる

academist(アカデミスト)

などもあります。

これは研究費だけですが、こういう取り組みが広がるといいですね。

 

また村上隆氏自身も、会社を設立し、

若い芸術家を雇って、分業化したアートをやっているようです。

これに対になる博士学生援助案は、

すっごいお金ある人に雇ってもらって、その人が研究の指揮をとる、

みたいな感じでしょうか。わりと企業の研究者に近いですね。

企業との共同研究にも似ていますが、

私的に研究すると、公平性が疑われることもあると思います。

研究の性質によっては難しいのかなと思います。

 

また、このブログ内の村上氏の語録で、

アメリカの富裕層には評価の高い芸術を買うことで「成功したね」と社会に尊敬される。 

 というのがありました。

日本の公的資金で、博士学生をより助けていくのは難しいかもしれません。

それなら、富裕層に出資してもらって、

その出資分を所得税から控除するようにしたらどうでしょうか。

出資されたい学生が学振の書類リストみたいなものを

その人たちに送って、この研究に投資したい!とおもったら出資してもらう。

出資した学生が将来著名な研究者になると、

うれしいのではないでしょうか。

 

また、お金のない芸術家の人たちは仕事をしながら、

芸術活動をしている方も多いと思います。

研究はそのように片手間でやるには、

高価な装置や試薬がつかえなかったりで難しい面もありそうです。

 

まとまってないけど

海外の博士学生はお金もらってるから、

日本の公的資金で博士学生援助しろっていっても、もう無理な気しかしません。

学振でもあっぷあっぷでしょう。

政治家がsin, cosなんて役に立たないと思っている世の中なので、

期待できません。

 

現状改善のためには、こちら(博士学生・博士経験者)から、

変わっていくしかないのだと思います。

上にあげたような芸術家に学んだ例が実現できるような世の中になるよう、

今後少しずつ動いていければよいなと思います。

難しいところもありますが、どう克服するか考えていきます。

*1:本当にスゲー人の中には、学振(文中参照)もさらっととるし、

勉強もつらいと思ってない人もいると思います。